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基礎コンクリート補強工事
炭素繊維シートを使用する工法
昨日に続いて、地震に備えた予防工事として本日は住宅の基礎コンクリートの補強工事で「炭素繊維シート」を
使用する工法を紹介します。
この炭素繊維シートを使用したコンクリート補強は元々は高速道路等の高架橋やトンネルなど、土木工事や
建設部門で主には使用されていた工法ですが、近年では比較的安価で施工することが可能になったこと等もあり
一般住宅の補強工事にも使用されるようになりました。
まずは
・・・炭素繊維シートとは・・そして効果は?
軽量で腐食せず丈夫な特長を有する炭素繊維を一方向又は二方向に配列したシートが炭素繊維シートです。
エポキシ樹脂を使用して、コンクリート構造物等の躯体表面に、炭素繊維シートに樹脂を含浸させながら接着し、強化プラスチック化することで不足する鉄筋量を補い、せん断耐力、曲げ耐力、疲労寿命を向上させ、ひび割れ抑制にも効果があるといわれています。
炭素繊維を世界で初めて開発したのは、米国の発明王エジソン。19世紀末に竹の繊維を炭素化して白熱電球のフィラメント(光を発する部品)に採用した。
その後、フィラメントは、より長寿命化しやすいタングステン素材に移行。炭素繊維は耐熱性の高い素材として期待されながらも、大量生産の難しさなどから開発は停滞したがその後、昭和36年、アクリルから炭素繊維を製造する原理が発表され本格的に生産されるようになったのでした。
◆炭素繊維シート接着の施工例
既設の基礎コンクリートの表面をケレン・ひび割れ補修等できれいにする作業をします
炭素繊維シートにエポキシ樹脂を含有させてコンクリートに接着します
コンクリート内に浸透し強化プラスチック化するわけです
施工完了後には表面に化粧モルタルを塗り綺麗にします
このように表面に炭素繊維シートを接着させることで既設コンクリートが強化プラスチック化されてせん断力、曲げ耐力等が向上してコンクリートが補強されるというわけです。
施工前にコンクリートの劣化状況を診断する中性化試験を実施したり、コンクリート内の鉄筋の有無により現状の基礎コンクリートの状況がわかりますので、その状況に合わせた補強プランを提案させてもらいます。