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配偶者や恋人からのドメスティックバイオレンス(DV)に苦しみ、
警察に被害を相談する男性が近年急増している。
全国の都道府県警では、令和5年に過去最多となる2万4684件の相談を受理。
女性からの相談の半数以下にとどまるものの5年前の約1・5倍、
約20年前の170倍に増えた。
「男は強くなければならない」「女性からの暴力や暴言にも耐えるべきだ」。
DV被害者の支援団体では、こうした社会の風潮に変化が生じ、
隠れた被害が顕在化したためとみる。
■「男のくせに」
「稼ぎが少ないクズ野郎」「お前はATMだ」
横浜市内のNPO法人「女性・人権支援センター ステップ」理事長の栗原加代美さんのもとには、
DV被害に悩む男性が多く訪れる。
栗原さんが相談を受けた関東地方に住む40代男性は、妻から日常的に暴言を浴びせられ、
毎晩のように性行為を強要された。行為を拒むと裸で寝ることを強いられたという。
「男のくせに」。妻の口癖が日中、自宅を離れていても頭をよぎるようになり、鬱病を発症。
仕事が手につかなくなって退職を余儀なくされた。
夫からの暴力に耐えかねた妻が相談窓口へと駆け込む-。
DVに付きまといがちなイメージの通り、10年ほど前は相談者のほぼ全員が女性で男性はまれだった。
現在では、数百人に及ぶ毎月の相談者のうち20~30人が男性だといい、
栗原さんは「男性の人数は年々増えている」と明かす。
■夫婦で殴り合いも
警察庁のデータによると、パートナーからDV被害を受けたとの相談件数は、
令和5年は8万8619件で、男性からの相談はうち27・9%となる2万4684件。
いずれも過去最多だった。
相談体制の整備や被害者保護などを目的とした「配偶者暴力防止法」が平成13年に施行。
翌14年の男性からの相談は142件に過ぎず、およそ20年で170倍超にまで膨らんだ計算になる。
DV問題に携わる警察幹部は「昔は女性ばかりが被害者だったが、今は夫婦で殴り合ったり、
男性が一方的に暴力を振るわれたりする例もある。
丁寧に話を聞かなければ構図が判然としないことも多い」と語る。