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南海トラフ地震の「臨時情報(巨大地震注意)」が出る中、
古里や行楽地へ向かう人の流れが10日、ピークとなった。
帰省客らからは、家族らと防災について話し合う機会にしたいといった声が聞かれたほか、
行き先を変更した人もいた。
専門家は、帰省や旅行先など普段と違う環境の中での特有のリスクを知り、
備えを進めるよう呼びかける。
宮崎市出身という東京都大田区の会社員(32)は10日朝、高齢の両親が心配で、
予定通りの日程で宮崎空港に到着した。
「前から『南海トラフ』という言葉は聞いたことがあったが、
先日の地震で一気に現実味が増した。
防災についてしっかり考える機会にして、両親と今後のことを話し合いたい」と話した。
鹿児島市本港新町の高速船旅客ターミナルから鹿児島県の種子島に、
小学生の娘らと向かっていた鹿児島市の会社役員(53)は、
「子どもたちが海で遊ぶ際は、(地震や津波の)警戒アラートに気をつけ、
いつも以上に救命胴衣の着用を徹底させたい」と話した。
また、旅の予定を変更する人もいた。
10日に宮崎空港に到着した東京都の会社員(52)は当初、
サーフィンをする予定だったが、8日に日向灘で起きた地震を受けて、
内陸地の観光名所などを回るように変更するという。
「宮崎の波はいいと聞いて楽しみにしていたので残念だが、
もしもの時のことを考えると仕方がない。せっかく来たので宮崎を楽しみたい」
と話していた。
一方、福岡市内の介護施設に入る母に会うために、
家族と一緒に大阪府高槻市から博多駅に来た会社員男性(65)は
「再び地震が起きないか心配はあったが、急な予定の変更も難しかったので、
予定通り帰省した。安全のためにも、福岡市の市街地でゆっくり過ごしたい」
と話した。
帰省や旅行などでの防災対策について、徳島大の金井純子講師(地域防災学)は、
各自治体のハザードマップや防災アプリの活用とともに、
家族と別行動時に被災することを想定して、災害用伝言ダイヤル(171)に
メッセージを残すなど、あらかじめ安否確認方法を共有しておくことを勧める。
金井講師は「元日の能登半島地震でも分かるように、天災は人間の都合を考えてはくれない。
お盆休みという特殊なシーズンであることを踏まえて、
普段の備えにプラスした対策をとり、過ごしてほしい」と訴える。