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政府は22日、200ある国の基金事業を点検した結果、
使う見込みのない資金が積み上がっているとして5466億円を
国庫に返納させると発表した。
数年分の資金をまとめて予算計上する基金は、
チェックの甘さから無駄な支出につながりやすい。
政府は基金を伴うすべての事業に成果目標を定めさせ、ルールを厳格化する。
同日のデジタル行財政改革会議で、
国の基金事業すべての点検結果を河野太郎行政改革担当相が報告した。
2023年3月末時点で、国の基金は計16・6兆円の残高がある。
点検結果によると、事業自体が終わった後も基金を運営・管理する
独立行政法人や公益法人などの事務所費や人件費など
管理費の支出が続いているケースがあり、
こうした11事業を24年度末までに廃止する。
このほか4事業を既に廃止した。
15の廃止事業に加え、今後も存続する約40の事業についても、
23年度分の約4342億円、24年度分約1124億円は使う見込みがない資金と判断。
計5466億円を国庫に返納させる。
国の予算編成は年度ごとに国会の審議を経て決めるのが原則で、
複数年度分の予算を一挙に計上する基金は事前に必要な額を
見込むことが困難な場合などに限って認められる例外的な措置と位置づけられている。
ところが、近年は経済対策の規模を大きくしたり、
コロナ禍に対応したりするためだとして基金新設や積立の増額が顕著になっている。
基金はいったん設立すると所管する省庁や独立行政法人の裁量に任され、
国会による監視の目も届きにくくなるため批判が高まっていた。
こうした批判を受け、政府は基金設立のルールを見直し、
すべての基金事業について定量的な目標を設定した。
基金への予算措置は3年分程度までとし、
その後も予算をつけるかは事業の目標の達成具合を見て判断する。
また、基金事業は原則として10年以内に終了させる。
現時点で10年を超えている事業は、今後3年以内に終わらせることにする。
また、経済産業省では基金事業に関わる補助金交付基準の策定や
審査を民間に任せていた事例が多くあった。
公平性の観点から問題があるため、民間への外注を事実上禁止するよう
ルールを見直した。
新ルールでは、国と基金を運営・管理する独立行政法人などが交付基準を策定し、
国が承認する仕組みにする。