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円高株安に勢い

日本銀行の正副総裁から大規模な金融緩和策の
「出口」を意識した発言が相次ぎ、
マイナス金利を早期に解除するとの観測が
金融市場で強まっている。
発言を受けて長期金利が大幅に上昇し、
円買いドル売りが進んでいる。
為替相場は7日に一時1ドル=141円台をつけ、
日経平均株価は8日までの2日間で1100円超下落。
18、19日の金融政策決定会合でマイナス金利を解除する
可能性は低いとみられるが、市場は警戒感を強めている。

7日の参院財政金融委員会で、日銀の植田和男総裁が
「年末から来年にかけて一段とチャレンジング(挑戦的)な状況になる」
と発言。
その後に岸田文雄首相と会談し、
市場で日銀が早期にマイナス金利を解除するとの見方が広がった。

6日には氷見野良三副総裁が大分市内の懇談会で、
「賃金と物価の好循環をよく見極めて、
出口のタイミングや進め方を適切に判断する」と発言。
「出口を良い結果につなげることは十分可能」と述べた。

これまで日銀の正副総裁が出口に言及することは少なかったが、
物価が上振れする中、賃上げの動向が見える状況が近づき、
微妙な変化が出てきた。
「出口に向けた地ならしではないか」との憶測が出ている。

出口の条件は2%物価安定目標の達成だが、
来年の春闘の賃上げが重要なポイントになる。
日銀は賃金と物価の好循環を確認してから動くとみられるが、
植田氏が「年末から来年にかけて」と発言したため、
年内か年明けにマイナス金利を解除するのでは、
との見方が広がっている。

野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは
「(年内か年明けのマイナス金利解除の)
可能性は高くないが、ゼロではない以上、
油断せず注視が必要だ」と話す。

一方、日銀内には早期の政策修正に慎重な見方もある。
中村豊明審議委員は11月30日に神戸市で記者会見し、
「今、政策修正に対する意思決定をするタイミングではない」と述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は
12~13日に邦公開市場委員会(FOMC)を開くが、
金利を据え置くとの見方が優勢だ。
市場の関心は、いつ利下げに転じるかに移っている。

Posted 2023.12.08
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