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ハマスの“奇襲”
7日に攻撃を仕掛けた「ハマス」は、
パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配する
イスラム組織で、イスラエルとは激しく対立しています。
パレスチナ側の後ろ盾はアラブ諸国やイラン。
イスラエルの最大の後ろ盾はアメリカです。
ところが最近、イスラエルがアラブの国々のうち、
サウジアラビアなどと関係正常化の動きを見せていて、
ハマスは「置き去りにされるのでは」と焦りを
募らせていたという見方があります。
そして、攻撃のあった7日はユダヤ教の祝日でした。
イスラエル国内に漂う“お休みムード”への不意打ちだったのです。
実は過去4回あった、パレスチナ側にたつ
アラブ諸国と、イスラエルとの間の「中東戦争」のうち、
ちょうど50年前に始まった第4次の戦争も、
祝日シーズンの10月6日に奇襲攻撃で始まって、
イスラエル側に大きな被害が出ました。
ハマスはこうした歴史を意識していた可能性もあります。
今回、高い情報収集能力を持つイスラエルが
虚をつかれたことに、欧米メディアは
「イスラエルの諜報活動の史上最悪の失敗のひとつ」
と論評しています。
近年にない規模の被害を受け、
イスラエルは大規模な軍事作戦を展開しています。
さらに、すでに一部でそういう動きがみられますが、
両者の戦いに周辺国も加わると、
地域大戦にエスカレートする恐れが高まります。
とくにイスラエルと敵対するイランの動きが焦点です。
犠牲者をこれ以上増やさぬよう、
一刻も早い停戦が求められますが、先行きは見通せません。
Posted 2023.10.09